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ビジネスパーソンが知っておくべき HTMLとCSSの基礎

Tags: HTML, CSS, Web開発, フロントエンド, Webサイト

はじめに:なぜビジネスパーソンもHTML/CSSを知るべきなのか

今日のビジネスにおいて、Webサイトは企業活動の重要な基盤の一つです。IT関連の業務に携わる方であれば、顧客や社内のWebサイト、あるいは開発されるサービスについて話す機会も多いことでしょう。

しかし、「Webサイトがどのように作られているのか」という基本的な構造や仕組みについては、必ずしも深く理解されていないかもしれません。特に、Webサイトの見た目や構成に関する技術的な話題が出てきた際に、基本的な知識があると、担当者とのコミュニケーションがスムーズになったり、顧客の要望や課題をより正確に理解できるようになります。

この記事では、Webサイトを構成する最も基本的な技術である「HTML」と「CSS」について、その役割と関係性を短時間で理解できるよう、分かりやすく解説します。

HTMLの役割:Webページの「構造」を作る

HTML(HyperText Markup Language)は、Webページの「骨組み」や「構造」を定義するためのマークアップ言語です。あなたが今ご覧になっているこのページも、HTMLによって見出し、段落、リストなどの要素が配置されています。

HTMLでは、「タグ」と呼ばれる特別なキーワードを使って、テキストや画像をどのような要素として扱うかを指定します。例えば、

これらのタグを使ってコンテンツを記述することで、コンピュータはそれがページのどこに配置され、どのような意味を持つ情報なのかを理解できます。例えば、以下のようなシンプルなコードは、見出しと段落を含むWebページの基本的な構造を示しています。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
    <title>ページのタイトル</title>
</head>
<body>
    <h1>これは見出しです</h1>
    <p>これは段落のテキストです。</p>
</body>
</html>

HTMLはあくまでコンテンツの意味と構造を定義するものであり、見た目に関する情報は直接扱いません。

CSSの役割:Webページの「見た目」を整える

CSS(Cascading Style Sheets)は、HTMLで作成されたWebページの見た目やデザインを定義するためのスタイルシート言語です。色、フォント、レイアウト、要素のサイズや配置など、ユーザーが目にするビジュアル面をコントロールします。

CSSを使うことで、同じHTML構造でも全く異なるデザインのページを作成することが可能です。例えば、先ほどのHTMLに対して、以下のようなCSSを適用することを考えてみましょう。

h1 {
    color: blue; /* 見出しの色を青にする */
    font-size: 24px; /* 見出しのフォントサイズを24ピクセルにする */
}

p {
    color: #333; /* 段落のテキストの色を濃い灰色にする */
    line-height: 1.5; /* 段落の行間を広げる */
}

このCSSを適用すると、HTMLの見出し(<h1>)は青色の24ピクセルで表示され、段落(<p>)は濃い灰色のテキストで行間が広めに表示されます。

CSSは、どのHTML要素にどのようなスタイルを適用するかを「セレクタ」などを使って指定します。このように、CSSはWebページを美しく、そして見やすくするための「化粧」や「装飾」の役割を担っています。

HTMLとCSSの関係性:構造と装飾の両輪

HTMLがWebページのコンテンツとその構造を定義し、CSSがその構造にデザインやスタイルを適用する。この二つは密接に関連しており、現代のWebサイト開発においてほとんど常にセットで使われます。

HTMLは骨組み、CSSは装飾。家を建てることに例えるなら、HTMLは柱や壁の配置といった構造設計、CSSは壁の色を塗ったり、家具を配置したりといった内装や外装のデザインに当たります。構造(HTML)がなければ装飾(CSS)を施す場所がありませんし、装飾(CSS)がなければ単調な骨組み(HTML)しか見えません。

両方を組み合わせることで、情報の構造が明確で、かつ視覚的にも魅力的なWebサイトが実現します。

例えば、簡単な例として、先ほどのHTMLにCSSを適用する手順は以下のようになります。

HTMLファイル (index.html):

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
    <title>ページのタイトル</title>
    <link rel="stylesheet" href="style.css"> <!-- CSSファイルを読み込む -->
</head>
<body>
    <h1>これは見出しです</h1>
    <p>これは段落のテキストです。</p>
</body>
</html>

CSSファイル (style.css):

h1 {
    color: blue;
    font-size: 24px;
}

p {
    color: #333;
    line-height: 1.5;
}

このように、HTMLファイルからCSSファイルを読み込むことで、HTMLで定義された要素に対してCSSでスタイルを適用することができます。

まとめ:スキマ時間で基本を押さえるメリット

この記事では、Webサイトの基本を支えるHTMLとCSSの役割について解説しました。HTMLが情報の構造を定義し、CSSがその見た目を整えるという、両者の基本的な違いと関係性をご理解いただけたかと存じます。

これらの基礎知識を知っておくことは、Webサービスに関わるビジネスパーソンにとって、開発チームとの連携をスムーズにしたり、顧客のWebに関する要望や課題をより深く理解したりする上で役立ちます。技術的なバックグラウンドがない場合でも、基本的な仕組みを知ることで、コミュニケーションの質を高めることが期待できます。

今後、Webサイトについてさらに深く学びたい場合は、実際に簡単なHTMLファイルとCSSファイルを作成し、ブラウザで表示させてみることをお勧めします。また、ブラウザの開発者ツール(DevTools)を使うと、表示されているWebページのHTML構造やCSSのスタイルを確認できるため、学習に非常に役立ちます。

HTMLとCSSはWeb技術の入り口です。この基礎を押さえることが、さらに様々なWeb技術への理解につながるでしょう。